防災のプロから聞いた! 本当に使える防災アイテムを知っておこう!

住まいのこれから

調理しなくても食べられる・栄養バランスが良い・賞味期限が長い・リーズナブルで美味しいもの という点を押さえて防災用品を備えておきましょう。

【監修】山村武彦(やまむら・たけひこ)

地震大国といわれる日本。
1994~2003年に世界で起きたマグニチュード6以上の地震のうち、その約2割は日本周辺で起きています。
70%の確率で30年以内に起こるといわれている首都直下地震が起きた場合、内閣府の発表した被害想定では、死者数最大約2万3,000人、建物の火災・倒壊による家屋の喪失は約63万棟。地震直後の電力供給は約5割に低下し、水道は約5割が断水して復旧には数週間かかるところもあると想定されています。都市ガスも被災した場合は復旧に1か月以上要する地区もあるといわれています。
しかしこれはあくまで想定であり、実際はこれよりも大きな被害が起きるかもしれません。

ほかにも東海地震、東南海・南海地震、南海トラフ地震、中部圏・近畿圏直下地震、日本海溝・千島海溝地震などさまざまな地震が起こる可能性が指摘されています。
大地震などの災害に備え、日ごろから飲料水や食料を備蓄していますか?
ライフラインが寸断されたとき、救助の手が伸びるまで自分や家族を守るのは私たち自身です。
災害に見舞われたとき、実際にどのような防災グッズが役立つのでしょうか。
防災のプロ・防災システム研究所 所長の山村武彦さんにうかがいました。

食料品は火を使わないで食べられるものがおすすめ!

災害が起きてから水や食料を買いに行こうとしても、スーパーマーケットの棚は空っぽ。水を貯めたくても蛇口からは水がチョロチョロとしか出ない、ホームセンターには懐中電灯も家具を固定する部品もない...ということが起こり得ます。だからこそ日ごろから防災用品を備えておくことが大切です。

「大地震など大規模災害が発生すると、ライフラインや道路が寸断され、復旧や物資が届くまで最低7日間はかかってしまいます。水や食料の備蓄は最低7日分を目安にすることをおすすめします」と山村さん。

山村さんが非常食を用意する際に重視しているのは、

  • 調理しなくても食べられる。
  • 栄養バランスが良い。
  • 賞味期限が長い。
  • リーズナブルで美味しいもの

という点。
山村さんが実際に家で備えているおすすめの非常食を教えていただきました!

温めなくても食べられる国民食・カレー!

「温めずに食べられるカレー職人」(甘口)(中辛)/江崎グリコ 3食パック×10個各¥3,942(税込)

東日本大震災を機に開発された、常温でそのまま食べられるレトルトカレー。
保存期間は製造日から5年。
「災害時に水や火がなくても食べることができ、栄養バランスが良く、そして美味しい。というのがいいですね。我が家では平時にも食べています」(山村さん)

小分けするのにも便利!

「ビスコ保存缶」/江崎グリコ 1缶30枚入り、10缶セット¥4,536(税込)

5枚ずつ分包されたものが6袋入っています。賞味期限は製造日から約5年。
開封したらすぐに食べられるので、発災直後の備蓄食料として便利。
缶には災害伝言ダイヤル「171」の利用方法が記載されているとう、細やかなケアも。
「分包されているので、手が汚れていても人に配ることができます。乳酸菌が入っているというのもおすすめの理由です」

水でもどせて長期間保存可能

「アルファ米 白米」/尾西食品 希望小売価格¥280(税抜)

賞味期限は製造日から約5年。国産のうるち米を使ったフリーズドライ商品です。
湯なら約15分、水は約60分で260ℊの白米やおかゆ(水分量で調整)ができ、付属のスプーンで食べられます。
「湯でも水でも食べられるというのが便利です。白米だけでなく、五目、わかめ、赤飯、チキンライスなどいろいろな種類があります」(山村さん)

1日に必要な量の野菜が摂れるジュース

「野菜たっぷりスープ(SO-30)パウチ」/カゴメ 参考小売価格3種9個入¥3,000(税抜)

野菜をたっぷり使い、常温でそのまま食べられるスープ。トマト、かぼちゃ、豆、きのこの4種類あります。
賞味期限は製造日から、きのこは5.5年、それ以外は4年。
「災害時に配給される食事は、おにぎりやパンが中心で栄養バランスが悪く、食物繊維やミネラル、ビタミンなどが不足しがちになります。こういったもので栄養バランスを整えることが大切です。例えば朝はこのスープとビスコ、昼はパスタ、夜はカレーライスなどとメリハリをつけましょう。そして一番大切なのは家族の好きな美味しいものにしておくと、災害時も元気が出ます」(山村さん)

身を守るアイテムは使い勝手を重視!

地震が起きたら倒壊した建物に閉じ込められたり、火災が発生する中を逃げなければならなかったりと、さまざまな状況が想定されます。
そんななか、助けを呼んだり避難したりするときに使えるアイテムを教えていただきました。
山村さんの愛用品は、コンパクトで持ち運びがしやすく、かつ機能性が高いというのが共通点です。

2種類の音で救助を要請!

救助笛ツインウエーブ/コクヨ ¥550(税込)

災害時に助けを求めるとき、居場所などを音で知らせるためのホイッスル。人間にとって聞きやすいとされる、3,200Hzと4,800Hzの2種類の音を同時に出します。
2種類同時に発生させることで、より広く注意喚起ができます。
「小さくてストラップがついているので、常時携帯するのに便利です。私は防災ポーチに入れて常に持ち歩いています」(山村さん)

避難時に頭や首すじを守る帽子

前頭部と頭頂部に衝撃緩衝材と樹脂シートが入っていて、落下物や飛散物からの衝撃を緩和します。右の写真のように折り畳むことができるので、持ち運びにも便利。
「首筋に "シコロ(首あて)"がついているので、割れた窓ガラスなどの飛散物から首筋も守ってくれます。枕元に置いておくのにもおすすめです」(山村さん)

 

調理不要で食べられる食品や利便性の高い防災グッズ。ご自宅の備蓄品を考える際の参考にしてください。

監修

山村武彦(やまむら・たけひこ)

防災システム研究所 所長

1943年、東京都出身。
1964年新潟地震でのボランティア活動を機に、防災・危機管理のシンクタンク 「防災システム研究所」を設立。以来50年以上にわたり、 世界中で発生する災害の現地調査を実施。多くの企業や自治体の防災アドバイザーを歴任し、BCP (事業継続計画)マニュアルや防災マニュアルの策定など、災害に強い企業、社会、街づくりに携わる。実践的防災・危機管理の第一人者。著書は、「災害に強いまちづくりは互近助の力 ~隣人と仲良くする勇気~」(ぎょうせい)、「南三陸町 屋上の円陣 - 防災対策庁舎からの無言の教訓」(ぎょうせい)、「NHKまる得マガジン 家族を守る!現場に学ぶ防災術」(NHK出版)、「新・人は皆『自分だけは死なない』と思っている」(宝島社)など多数。