なるほど! 暮らしと住まいの知恵袋

夫婦の時間を楽しむ 日本酒と肴のマリアージュで晩酌を

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夫婦二人の時間としておすすめしたいのが、食体験の共有です。美味しいものを食べれば、二人とも幸せ。普段のお食事とは少し違った工夫をして、お酒と肴を楽しむ夜を演出してみてはいかがですか。

【監修】伊藤璃帆子 (Rihoko ITOH)

子どもが巣立ったあとは、夫婦二人の時間が増えていきます。老後を充実させるためにも、夫婦で共有できる趣味などを考えておくのは大切なことです。しかし、趣味も経験もバラバラで、なかなか二人で楽しむ時間を持ちづらいのが現実ではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、食体験の共有です。美味しいものを食べれば、二人とも幸せ。普段のお食事とは少し違った工夫をして、お酒と肴を楽しむ夜を演出してみてはいかがですか。
今回は、日本酒や焼酎に合うお料理について紹介します。

日本酒にぴったりの肴は?

「普段の夕食は栄養バランスを考えた献立や粗食を意識している」という方は多いですが、晩酌しようと決めた日は、思いきって「栄養をとること」ではなく「お酒に合うこと」を考えて料理してみてください。普段とは違う気持ちでキッチンに立ち、お酒との調和を想像しながら料理を作ることで、晩酌タイムがよりいっそう楽しみになるものです。
日本酒に合う料理を考える時に参考にしたいのが、味わいや香りを表現するのに便利な日本酒の4タイプ分類。味を想像するだけでなく、そのお酒にどういった料理が合うのかを考える時にも参考になります。晩酌の主役となる日本酒のタイプをチェックし、献立づくりの参考にしてみてください。

日本酒の4タイプ

日本酒の種類

香りや味わい

ぴったりのお料理

薫酒(くんしゅ)
【主に大吟醸酒・吟醸酒系】

華やかな香り高いタイプ

お刺身、山菜の天ぷらなど、素材の味を活かしたあっさりとした味付けの料理によく合います。

爽酒(そうしゅ)
【主に普通酒・本醸酒系】

淡麗辛口テイストで清涼感のあるタイプ

 

香りが控えめなので、様々な種類の料理と相性が良いです。冷奴やロールキャベツなど、素材に甘みがある料理もおすすめ。

醇酒(じゅんしゅ)
【主に純米酒系】

米のふくよかな香りとコクのあるタイプ

煮魚やすき焼きなど、白米にあうようなしっかりとした味つけの料理に合います。

熟酒(じゅくしゅ)
【長期熟成酒・古酒系】

とろっとした甘みや、酸味など、熟成香があるタイプ

同じく熟成させた料理や甘味の濃い食べものなどとの相性が良いです。食事と一緒に少しずつ楽しんで。

少しずつ、いろんな種類の肴がおしゃれ

お酒が好きな人にとって、お酒のあてが充実しているお店は、最高の酒場と言えるのではないでしょうか。複数のおばんざいからお通しを選べる居酒屋さんや前菜の盛り合わせが豪華なワインバーなど、お通しのクオリティが高いとそれだけでお酒を飲む気持ちに拍車がかかります。家で晩酌をする時も、お店のような酒の肴が用意できたら、晩酌の時間がより特別な雰囲気になります。ここでは、手間をかけずに、いつもの料理を居酒屋さんさながらにするコツをご紹介します。

懐石の『八寸』をご自宅でも気軽に楽しむ

懐石料理などの献立で登場する、四方の杉で作った低いふちのある盆「八寸(はっすん)」はご存知でしょうか。八寸=約24cm四方で海の幸や山の幸、旬のものをいただくことができる贅沢なひと皿で、盆本体と、そこに盛り付けしたお料理全体を指して「八寸」といいます。日本酒の肴は、八寸のように旬の食材を少しずついただけるようなものにすると、見た目にも楽しく、どれから食べようか迷う楽しみも味わうことができます。
家で完璧な八寸を実践することは難しいかもしれませんが、旬の食材を主役に、作り置きや市販のお惣菜をうまく取り入れれば、5品ほどは用意できるのではないでしょうか。例えば、鮮魚店で旬のお刺身を2種類、作り置きからひじきの煮物とトリモツの甘辛煮を、惣菜店でローストビーフを、後はきゅうりともずくの酢の物などを用意すれば、手間をかけずに、甘みや酸味のバランスが取れた6品の出来上がり。
また、日持ちがする燻製や生ハム、チーズなども日本酒や焼酎に合うので、それらを常備しておき2、3品加えるのもいいですね。少量でいろいろと味わうことで、ゆっくりと食事を楽しむこともできます。

盛りつけにもこだわりを

おつまみを上手に盛りつけできないとお困りの方のために、和食の盛り付けで意識したいコツをご紹介します。

キーワードは数字の「3」

複数種類をひとつのお皿に盛り付ける時は、奇数と数字の3を意識するとバランスがとりやすくなります。 例えば、お刺身を盛る場合。まず三種類のお刺身を用意しましょう。まぐろ、しめさば、鯛などが手に入りやすく、色のバランスも良いでしょう。次に、食材を、お皿の上に三角形を描くように意識して配置します。お皿の大きさですが、食材をのせた時に三割ほど余白ができる大きさのものを選ぶと、ちょうどいい収まり具合となります。そして、横から見た時にも三角形ができるよう、高さをだします。お刺身の場合、ツマがその役割をはたします。これらのことを意識すると、お皿の形が変わっても、三点が五点になっても、不思議とまとまりがよくなります。

真菜箸を使う

本格的に盛りつけにこだわりたい方は、日本料理の盛りつけで使う真菜箸(まなばし)を使ってみるのもおすすめです。先端が細く作られているため、細かい作業がしやすく、イメージ通りに食材を盛ることができます。使い勝手だけではなく、本格的な道具を揃えると、料理に気合いも入ります。

料理の五色

また、盛りつけには、料理の配色も大切なポイントとなります。「料理の五色」といわれる、青・黄・赤・白・黒をバランス良く配置すると、料理が美しく、彩り豊かな食卓を演出することができます。青は安心感、黄・赤は食欲増進、白は清潔感、黒は引き締め効果と言われていて、食材に限らず、朱塗りの器や飾りの海苔なども五色の演出には使い勝手の良いアイテムです。
家庭での晩酌で全てを厳守する必要はありませんが、小料理屋さんのような雰囲気が少しでも出せれば、お酒の時間がより素敵なものとなるのではないでしょうか。

普段と違うハレの食器を組み合わせる

和食器は、普段使いやすい器とは別に、特別な日のための器を揃えておくと、晩酌にも活用でき便利です。
普段使いに揃えるべき器は、和食の基本の一汁三菜に基づいた、飯碗、汁椀、中皿、小皿、小鉢の5種類。
一方、特別な日の器は、赤や金をあしらったおめでたい雰囲気のお皿や漆や銀など高級感のあるものを。これに、春夏秋冬をイメージした豆皿や高台小鉢などの小さめの器をいくつか揃えておくと、お祝いの席でもアレンジのきいた華やかな食卓を演出することができます。
晩酌時には、普段使いの器に焼き魚や締めのおにぎりなどを盛り、高台小鉢や豆皿に珍味や酢の物などを盛ると、普段の食卓ともお祝い事の日とも違う、お酒を楽しむ雰囲気を醸し出すことができます。
また、乾きものなどの地味色のおつまみは、千鳥など縁起物が描かれたお皿にのせると、程よく色味と華やかさを添えることができます。

監修

伊藤璃帆子 (Rihoko ITOH)

美術家。東京都在住。
編集、執筆、写真撮影、イラスト、フードスタイリング等を手がける。
日常使いのアイテムをちょっと良いものに変えてみませんか。
暮らしや家事にまつわるアイデアを厳選してご紹介していきたいと思っています。