糖尿病専門医に聞いた!知っておきたい体と食事のこと

女性は40代から健康管理が難しくなる?

身体のこれから

40代からは、体重コントロールを含めた健康管理が難しくなっていきます。まずは食事や運動などの生活習慣を整えること、ストレスを溜めないように心がけることを忘れないようにしましょう。そして、つらいときは無理をせず、専門家の力を借りるようにしてくださいね。

【監修】鈴木吉彦医学博士

40代になってから痩せにくくなった、体調があまり思わしくない......。そう感じている方は少なくないのではないでしょうか。食事も運動も以前と変わりないはずなのに体に余計な肉がついたり、若い頃と体の状態が違うような気がするのは、たまたまではありません。40代からは、体重コントロールを含めた健康管理が難しくなっていきます。

「40代からは体にさまざまな変化が起こります」と話すのは、糖尿病専門医であるHDCアトラスクリニック院長の鈴木吉彦先生です。今回は、40代の方が気をつけたい健康管理のポイントについて伺いました。

40代から痩せにくくなる

年齢を重ねると、体は徐々に変化していきます。そのひとつが、基礎代謝量の減少です。女性の場合は40代がピークで、50代以降はどんどん下がっていきます。基礎代謝量が下がる理由は、主に筋肉量の低下です。若い頃よりも体力がなくなって動けなくなるうえ、エネルギーも消費しなくなるので、同じように食べていると当然ながら太ってしまいます。

体力が減って活動するのが億劫になったからといって、じっとしていると余計にエネルギーを消費しなくなってしまいます。できるだけ運動をする習慣をつけて、筋肉量が減らないように心がけることと、消費エネルギーに見合った食事を意識しなくてはなりません。

40代以降は自炊をする回数が減っている?

20代〜60代の男女を対象に、自炊・外食・中食(外で買ってきて家で食べる)の回数の変化について調べたアンケート結果(株式会社リクルートライフスタイル「ホットペッパーグルメ外食総研」調べ)によると、40代女性では「自炊の回数が増えた」と答える割合が減っているそうです。

さらに細かく見てみると、中食が増えた理由として、30〜40代は「家事や子育てで忙しい」ことが多く挙げられています。外食が増えた理由を見てみると、40〜60代以降で「家族や友人とワイワイ食べるのがレジャーになっている」との回答割合が多くなっていました。

このことから、40代頃までは家事・育児に追われている人が多いけれど、同時に40代頃から外食を楽しむ余裕がある人も増えている、ということがわかります。ちょうど40代は、子育てがひと段落する人も増え始める時期です。それまでできなかった外食を楽しもうとしている人が多いのかもしれません。

しかし食事の内容に気をつけないと、エネルギーを摂取しすぎたり、栄養バランスが偏ったりしてしまいます。基礎代謝量が減ってきていることを意識して、あまり頻繁に食べ過ぎることがないようにしましょう。

月経前症候群から更年期へ

40代前半は、まだ月経が安定している人が多いです。月経前症候群(PMS)による不調を訴える人も珍しくなく、体重増加や食欲増進のほか、頭痛や肌荒れ、不眠などの精神的な症状などを訴えることもあります。40代はまだ仕事の中心的な存在で、人によっては育児真っ最中のこともあるでしょう。それだけの責任やストレスがかかる分だけ、PMSの症状も強く感じられる人が多いかもしれません。

40代半ばといえば、徐々に更年期を迎え、閉経に差し掛かる時期。早い方では、40歳を過ぎてすぐの頃から更年期の症状がみられ始めることもあります。

40代後半を過ぎてくると、更年期の症状を感じる人が増えてきます。更年期は、閉経前の前後合わせて10年ほどの期間をいいます。この間は月経が徐々に不順になり、女性ホルモンの分泌が急激に低下してさまざまな症状が現れます。代表的な症状は、ほてりやのぼせ、発汗、めまい、冷え、頭痛、動悸、耳鳴りなど。イライラや不安、不眠などといった精神的な症状が現れることもあります。

PMSも更年期も、人によって始まる時期や症状は違いますし、その程度も差があります。ほかの人が大丈夫そうに見えるからといって、自分も我慢しなければならないということはありません。症状がつらい場合は、薬を使って症状を和らげることもできます。活力ある生活を送るためにも、婦人科で定期的みてもらうようにしましょう。

不眠が肥満の原因になる?

ある研究で、不眠と糖尿病の関係が調べられました。その結果は、40歳から65歳以上で不眠に悩みがある女性は、糖尿病になりやすいとのことでした。血糖値が高いと、インスリンが必要以上に分泌されて、糖分が脂肪として体に蓄えられやすくなります。

血糖値が下がると、また食欲が湧いてきます。食べ方に注意しなければ、血糖値は上がったり下がったりを激しく繰り返し、太りやすい状態が維持されてしまうことが考えられます。

不眠は糖尿病だけでなく、高血圧や心臓病、うつ病などを発症するリスクにもなると言われています。更年期が重なれば、不眠で悩む人も増えるでしょう。40代以降の不眠はさまざまな病気になりやすいリスクがあるのだとしたら、まずは痩せようとする前に、しっかりと眠れる状態を作る努力をした方が良いかもしれません。

体の変化を受け入れていこう

体の状態が変わり始めて、若い頃と違う自分を受け入れることが難しい人もいるかもしれません。しかし、加齢による体の変化は元に戻せるものではないので、少しずつでも受け入れていくことが大切です。調子が悪いと感じることも増えるかもしれませんが、医療の力を借りて対処可能なものもあります。

まずは食事や運動などの生活習慣を整えること、ストレスを溜めないように心がけることを忘れないようにしましょう。そして、つらいときは無理をせず、専門家の力を借りるようにしてくださいね。

監修

鈴木吉彦医学博士

慶応大学医学部卒。元、日本医科大学客員教授。現、HDCアトラスクリニック院長。

糖尿病外来と併行し、自由診療としての肥満治療外来を立ち上げる。