30〜40代で気にしなければならない健康と予防対策

抗酸化作用を高める生活習慣を身に着けよう 健康的に過ごすためにサプリメントは有効?

身体のこれから

加齢によって抗酸化作用が低下するのは自然なことであり、活性酸素も決しては悪ではありません。「抗酸化物質を摂取すること」「活性酸素が増えすぎないようにすること」を意識しましょう。そのうえで、バランスの良い食事や適度な運動をこころがけ、基本的な生活習慣で健康を目指しましょう。

【ライタープロフィール】浅野すずか

「いつまでも健康的に過ごしたい」「若々しくいたい」。年齢とともに、健康やアンチエイジングへの関心が自然と高まり、このように考える人は多いのではないでしょうか。
そこで、まず意識したいのが「抗酸化作用」です。
抗酸化作用とは、老化の原因となる活性酸素を抑える働きのこと。抗酸化作用は加齢によって低下するので、生活習慣の見直しが大切となります。

そこで今回は、抗酸化作用とはどういうものなのか、抗酸化作用が低下すると何が起こり得るのかをはじめ、抗酸化と関係の深い活性酸素にまつわること、さらには抗酸化作用を高める生活習慣について説明します。

なお、抗酸化作用を意識するなかで、サプリメントの飲用を検討する人も多いことでしょう。この記事では、医学的観点からサプリメントの有効性や安全性についても解説します。ぜひ参考にしてください。

抗酸化作用とは?

抗酸化作用とは、活性酸素による悪い影響を抑えたり予防したりする働きのことです。活性酸素には、強い酸化作用があり、老化や病気の原因になるといわれています。

活性酸素は、体内に取り入れた酸素からエネルギーを作るときに発生するため、生きているだけで発生します。私たちの身体は、もともと抗酸化作用が備わっており、活性酸素を常に生み出しながら、その影響を抑え込んでいるのです。しかし、年齢とともに抗酸化作用は低下します。そのため、年齢を重ねるごとに、抗酸化作用を高めることが大切です。

抗酸化作用が低下するとどうなるの?

抗酸化作用が低下すると、活性酸素を抑えきれなくなります。抗酸化作用よりも活性酸素が上回ることを、「酸化ストレス」といいます。
酸化ストレスが続くと、DNAを傷つけたりコレステロールが酸化したりと、身体にさまざまな影響をおよぼします。老化現象として挙げられるシミやしわの発生をはじめ、がんや脳卒中、心疾患に代表される生活習慣病の心配も出てきます。このほか、パーキンソン病やアルツハイマー病の発症も心配されています。

活性酸素が増加する原因

日常生活で自然に発生する活性酸素ですが、特定の生活習慣でさらに増加してしまいます。主には、以下の5つが挙げられます。

激しい運動

運動は健康によいイメージがありますが、激しい運動は活性酸素を増加させます。なぜなら、運動によって呼吸が苦しくなったぶん吸う酸素の量が増大し、活性酸素が増えるためです。また、身体の組織が炎症を起こすと、酸化ストレスにつながるといわれています。

紫外線

しみやしわなどを防ぐために、日頃から紫外線を気にしている人も多いことでしょう。紫外線そのものが、活性酸素を増やす原因になるので対策が必要です。

喫煙

たばこには、タールやアセトアルデヒドなどの有害物質が含まれており、これらを分解するときに活性酸素が多く発生します。さらに、喫煙によって抗酸化物質の消費が増えるので、酸化ストレスが起こりやすくなります。

過度な飲酒

適度な飲酒は、血流を改善したりストレスを発散したりとプラスの効果がありますが、飲みすぎは要注意です。身体にとってアルコールは有害物質のため、たばこと同じく分解するときに活性酸素が発生します。

ストレス

ストレスと活性酸素の関係性は、さまざまな指摘があります。そのなかのひとつは、「コルチゾール」というホルモンです。ストレスでコルチゾールが分泌されるときに活性酸素が増えるといわれています。

実は悪者ではない? 活性酸素の大切な役割とは

これまで解説してきた内容だけで考えると「活性酸素は悪いもの」というイメージを持つ人も多いことでしょう。しかし、活性酸素は、実は私たちの身体にとって欠かせない以下の役割を果たしています。大切なのは、活性酸素が増えすぎないようにすることです。

免疫機能の向上

免疫機能に欠かせない「サイトカイン」を生成する仕組みに役立っています。

情報伝達物質としての機能

細胞内で行われる情報伝達を活性化する機能があります。

排卵や黄体機能の促進

排卵時におきる卵胞破裂や排卵後の黄体機能を促進します。

抗酸化作用を高め、イキイキと過ごす方法

加齢によって抗酸化作用が低下するのは、仕方のない部分も多くあります。大切なのは、活性酸素を抑えること、抗酸化物質を取り入れて抗酸化作用を高めることです。私たちが普段の生活でできることを、3つのポイントに分けて説明します。

1.抗酸化物質を含む食品を取り入れる

抗酸化物質は、野菜や果物に多く含まれています。なかでも、ビタミンA、C、Eは、抗酸化ビタミンともいわれており、積極的にとりたい成分です。このほか、ポリフェノール(アントシアニン、カテキンなど)、カロテノイド(β-カロテン、リコピンなど)も、抗酸化作用をもつ成分として注目を集めています。

なお、抗酸化作用を高めるためにサプリメントの飲用を検討している人もいるかもしれません。しかし、結論からいうと、サプリメントの有効性や安全性には、明確な医学的根拠がありません。

高用量の抗酸化物質を摂取することと、食品に含まれる少量の抗酸化物質を摂取することは、必ずしも同じ効果が見込めるとは言いがたく(※1)、実質的な健康効果は、証明されていません。
さらに、高用量の抗酸化サプリメントは、健康に害をおよぼすおそれが示唆されており、厚生労働省のウェブサイト(※1)によると、「高用量のベータカロチンサプリメントは喫煙者の肺がんリスクを高め」、「抗酸化サプリメントの一種である、ビタミンEサプリメントもまた、脳出血リスクの増大に関連性があることが認められ」たほか、サプリを単独で摂取する人は、そうではない人と比べて「前立腺癌の発症率が高かった」としています。
つまり、高用量の抗酸化サプリメントの摂取が、むしろ病気を引き起こすリスクをはらんでいるのかもしれないのです。

さらには、サプリメントの摂取が、他の薬と相互作用を引き起こす危険性にも言及しており、飲み合わせに気をつけるよう注意喚起がなされています。サプリメントを服用するときは、事前に主治医に相談しましょう。

2.適度な運動

先述のとおり、激しい運動は活性酸素を増やします。そのため、運動は適度を心がけましょう。しかし、「適度な運動」とはどの程度なのでしょう。ここでは、厚生労働省が推進する「スマート・ライフ・プロジェクト」(※2)の内容を紹介します。

「スマート・ライフ・プロジェクト」とは、国民の生活習慣の改善、健康寿命の延伸を目的にスタートした取り組みです。ここでは、「毎日10分の運動をプラス」を国民に呼びかけ、たとえば、以下のような内容を提案しています。

10分の早歩き

「生活習慣病の予防に効果がある運動として科学的に実証されている」として早歩きを推奨しています。

10分歩く

生活習慣病の予防には男性で9,000歩、女性で8,000歩を目安とし、平均的な歩数から、この目安に達するには、あと1,000歩必要と分析。時間にして10分多く歩くことを推奨しています。

家から10分の距離は歩く

家から面倒がらずに歩いていけば往復で20分。ちょうど不足している一日の歩数に相当するとしています。

3曲分歩く

好きな音楽を、計3曲(合計10分程度)聴きながら歩けば、一日の足りない歩数(1000歩)が補えるとし、楽しく歩く方法として紹介しています。

その他

「一駅分歩く」「散歩をする」「乗り物やエレベータを使わずに歩く」など意識的に身体を動かすことを推奨しています。

このように、歩くだけでも健康にちゃんと効果があるのですね。歩くことを中心とした身体活動であれば、生活のなかで習慣的に取り組めるのではないでしょうか。

3.禁煙、適度な飲酒

たばこは、百害あって一利なしです。できるだけ早くやめることをおすすめします。自力での禁煙が難しい場合、禁煙外来を利用するのもひとつの方法です。
また、飲酒に関しては、厚生労働省では「節度ある適度な飲酒」として、1日平均純アルコールで約20g程度としています。(※3)これは、ビールなら中瓶1本500ml、清酒なら1合180mlにあたります。お酒を楽しむときの目安にしてみてください。

まとめ

加齢によって抗酸化作用が低下するのは自然なことであり、活性酸素も決しては悪ではありません。「抗酸化物質を摂取すること」「活性酸素が増えすぎないようにすること」を意識しましょう。そのうえで、バランスの良い食事や適度な運動をこころがけ、基本的な生活習慣で健康を目指しましょう。

【参照サイト】

※1 厚生労働省 『「統合医療」に係る情報発信等推進事業 』eJIM 「抗酸化物質と健康」
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c02/02.html

※2 スマート・ライフ・プロジェクト
https://www.smartlife.mhlw.go.jp/

※3 厚生労働省 「健康日本21 アルコール」
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html

ライタープロフィール

浅野すずか

フリーライター

看護師として病院や介護の現場で勤務後、子育てをきっかけにライターに転身。看護師の経験を活かし、主に医療や介護の分野において根拠に基づいた分かりやすい記事を執筆。