50-60代のエイジングケア

50代のストレッチ〜肩こり・腰痛・運動不足をケアして美しい姿勢をキープ

身体のこれから

ストレッチを習慣にして、80代、90代になっても続く柔軟性をキープすることは、元気に若々しく年を重ねることにつながります。からだをしなやかに動かしながら、こころもだんだんとしなやかに。頑固にこり固まったこころに、そっと柔軟性を届けてくれる。そんなストレッチを続けていけたらと思います。

【監修】三島ミコ

「運動しなくちゃとは思うけれど、なかなか続かなくて......」「整体やマッサージに行った直後はラクになるのに、またすぐからだが痛くなる」
そんなお悩みがある方には、"ストレッチ"が合うかもしれません。

実はストレッチは奥が深く、健康にも美容にも良い効果が多くあります。しかも、お金はかからず、いつでもお部屋の中でできるという気軽さです。

ストレッチを習慣にして、80代、90代になっても続く柔軟性をキープすることは、元気に若々しく年を重ねることにつながります。

今回は、改めて見直したいストレッチについて、その魅力と具体的な取り組み方をご紹介します。

ストレッチとは?

まず、ストレッチとは何なのか、どんな効果があるのか、基本的な面から見ていきましょう。厚生労働省のウェブサイトでは、ストレッチ(ストレッチング)について、以下の通り記載されています。

ストレッチングとは意図的に筋や関節を伸ばす運動です。かつては柔軟体操とも呼ばれていました。ヨガやピラティスもこの運動の範疇に含まれます。体の柔軟性を高めるのに効果的であり、準備運動や整理運動の一要素として活用されています。

ストレッチングの効果 | e-ヘルスネット

このほか、有名なストレッチとして「ラジオ体操」があります。私たちのイメージ以上に、ストレッチの範囲は広いのです。

ストレッチの効果

ストレッチには、大きく分けて3つの効果があるとされています。

1.からだが柔らかくなる効果

私たちのからだは、動かさないと硬くなってしまいます。年齢とともに柔軟性が失われ、徐々にからだが動かしづらくなっていきます。ひどくなれば、肩こりや腰痛の痛みが出たり、あるいは自分の脚で元気に歩くのが難しくなったりと、日常生活に支障が出ることも。
からだをゆっくりと伸ばして動かすストレッチには、からだの柔軟性を増す効果があるので、いつまでも若々しい健康なからだづくりに役立ちます。

2.体温を高める効果

ストレッチを行ううちに、ポカポカとからだが温かくなることがあります。ストレッチは、2〜3メッツ(運動強度の単位。安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示したもの)の強度があるので、体温が上がるのです。たとえば、スポーツ選手がウォーミングアップとしてストレッチを行うのも、ストレッチによって筋温(筋肉の温度)や体温を上げることを意図しています。
「冷え性で困っている」という方は、ストレッチを習慣にすると、からだを温める効果が高まるのでおすすめです。

3.リラクゼーションの効果

ストレッチを行うと、リラックスしたときにはたらく自律神経である副交感神経が優位になることが明らかになっています。
気分が落ち込んだときや心配ごとがあるときは、からだがギュッと硬くなりがちです。姿勢も下を向いて胸を閉じ、小さく縮まってしまいます。そんなとき、ストレッチでからだを伸ばすことは、私たちのこころを穏やかにリラックスさせる効果があるのです。

ストレッチを行うときの注意点

からだを柔らかくして、体温を高め、さらにはリラクゼーション効果まで期待できるストレッチ。さっそく今日からスタートしたいところですが、その前に注意したい点があります。
『ストレッチを実施する際に注意すべき5つの原則』が、厚生労働省のウェブサイトに掲載されていますので、ご紹介します。

ストレッチを実施する際に注意すべき5つの原則

  1. 時間は最低20秒
  2. 伸ばす筋や部位を意識する
  3. 痛くなく気持ち良い程度に伸ばす
  4. 呼吸を止めないように意識する
  5. 目的に応じて部位を選択する

ストレッチングの実際 | e-ヘルスネット

「ストレッチは誰でもカンタンにできる」と思いがちですが、ストレッチ本来の効果を十分に実感するためには、この5つの原則をしっかり守る必要があります。逆に、今まで原則をよく知らず、適当にストレッチをしていたのなら、5つの原則を守るだけでグッと効果が変わるかもしれません。

50代におすすめのストレッチ

さて、ここからは実際にストレッチに取り組んでみましょう。今回は、ヨガ、ピラティス、ルーシーダットンの中から1つずつ、おすすめのストレッチをご紹介します。先ほどの『ストレッチを実施する際に注意すべき5つの原則』を念頭に置きながら、チャレンジしてみてくださいね。

ヨガの「牛の顔のポーズ」

1つめは、ヨガの定番ともいえるストレッチ系ポーズである「牛の顔のポーズ」です。肩関節をストレッチするので肩こりのケアにおすすめ。美しい姿勢づくりにも役立ちます。

牛の顔のポーズのやり方

  1. 足先を右に崩して、横座りになります。背骨をまっすぐに伸ばしましょう。
  2. 右脚を立てひざにして、その状態から左に流します。難しい場合は、右脚は立てひざのまま、左脚を前に伸ばします。
  3. 右腕を上に伸ばしてからひじを曲げ、左ひじも曲げて手先を背中側に回し、両手を組みます。
  4. 逆側も同様に行います。

完成形は難易度が高いポーズなので、最初は無理のない範囲で行います。脚は楽な姿勢のままで、手だけで行ってもOKです。
後ろで手が届かない場合は、タオルを使って補助しましょう。続けるうちに、徐々に左手と右手の距離が近づいて、やがて手が組めるようになります。

ピラティスの「ペルビック・カール」

2つめは、腰痛対策にもおすすめしたい、ピラティスの「ペルビック・カール」です。ピラティスの準備運動として行われる基礎的なポーズで、背中をしなやかに上下させるのがポイントです。背骨をひとつずつ動かすように意識しながら、ていねいにゆっくり行いましょう。

ペルビック・カールのやり方

  1. 仰向けになり両腕をからだの横に伸ばし、手のひらは下に向けます。ひざと足幅はこぶし1つ程度空け、骨盤と床は平行にします。
  2. 息を吐きながら骨盤を後ろに傾け、背骨をお尻のほうから順番に押し上げます。最終的に足の裏と肩から上でからだを支える状態を取ります。膝から肩まで斜めにまっすぐになっていることを意識しましょう。このとき、息は吐き続けることがポイントです。
  3. 一度息を吸いこんだら、今度は吐きながら、背骨を上から順にゆっくり下ろします。
  4. 1.に戻り、3〜8回続けます。

ルーシーダットン「耳を刺激する仙人のポーズ」

「ルーシーダットン」は、ヨガやピラティスに比べると、知っている方が少ないかもしれません。"タイの仙人の自己整体"がルーツといわれており、インド式のヨガと区別して「タイ式ヨガ」とも呼ばれます。
ご紹介する「耳を刺激する仙人のポーズ」は、小顔やたるみケアに効果的なポーズです。夜寝る前と朝起きたときに行うと、顔のむくみを防いでスッキリと整えてくれます。リフレッシュ効果もあるので、日中、気分転換したいときに行うのもおすすめです。

耳を刺激する仙人のポーズのやり方

  1. 中指と人さし指で耳を挟みます。あごを軽く上げ、胸を開いて空(天井)に向けましょう。
  2. 耳を挟んだ指を小刻みに上下に動かして、耳のまわりからフェイスラインまで、マッサージします。軽くゴシゴシと摩擦するようなイメージです。
  3. 気持ちよくマッサージできたら、息を吐き、耳からあごの先まで指をすべらせます。そのまま両手のひらを合わせ、両腕をまっすぐ前に突き出したら、合掌した手を胸の前に戻します。

からだがやわらかくなると、こころもやわらかく

「柔軟性」は、からだにもこころにも当てはまる言葉です。ただふにゃふにゃと柔らかいだけでもない、「柳のような、しなやかさ」は、何かキーワードのように思います。

からだとこころはつながっている。よく聞く言葉ですが、ヨガやピラティス、ルーシーダットンなどに取り組んでいるとき、そのつながりを深く実感することがあります。からだをストレッチしながら、こころも同時にストレッチしているようです。

しなやかなこころを作るのは、なかなか大変なこと。だからこそ、からだをしなやかに動かしながら、こころもだんだんとしなやかに。

頑固にこり固まったこころに、そっと柔軟性を届けてくれる。そんなストレッチを続けていけたらと思います。

監修

三島ミコ

美容ライター

化粧品会社で10年にわたり商品開発などに従事。美容を通じて自分と向き合い心豊かな暮らしを重ねるための内外美容を提案している。