季節の悩み

ワキ、顔、お尻......汗が止まらなくて困る夏に試したい対策

身体のこれから

夏の汗は、うまく対策できないと本当につらいものです。自分に合う対策法を見つけて、夏の憂うつを吹き飛ばしていきましょう。

【監修】三島ミコ

暑い季節になり気温が上昇すると、汗のお悩みが増えてきます。猛暑の日が続き、汗の量も増え、困っている方も多いのではないでしょうか。

汗が止まらないと、顔をつたう汗や、衣類への汗ジミなどの「見た目」問題と、かいた汗が発する「ニオイ」問題の、ダブルで憂うつになってしまいますね。そこで試したいのが、汗のメカニズムを知ったうえで行う効率的な汗対策です。

汗の特性を踏まえ、からだの部位別に最適なケアを行いましょう。今回は「汗対策」をテーマに、汗との上手な付き合い方をご紹介します。

汗が出るメカニズムとは?

汗は、どこから出ているのでしょう。肌でしょうか? それとも、毛穴でしょうか?――答えは「汗腺(かんせん)」です。詳しく見てみましょう。

汗は2種類の汗腺から出てくる

「汗腺」とは、簡単にいえば"汗の出口"のこと。皮膚に存在する器官です。身体中の皮膚に分布していますが、「エクリン腺」「アポクリン腺」という2つの種類があり、汗の性質が異なります。

「エクリン腺」からの汗は、サラサラで水に近い

体温調整を主な役割とするエクリン腺は、ほぼ全身に分布しています。エクリン腺から出る汗は、強いニオイはなく、状態もサラサラしています。これはエクリン腺から出る汗の成分が、ほとんど水に近いためです。とはいえ、まったくニオイの原因にならないわけではありません。汗をかいてから数時間が経過すると、肌のうえで雑菌が繁殖し、ニオイが出るようになります。いわゆる「汗臭」です。これは、汗を拭いたタオルを放置しておくとニオイが発生するのと同じメカニズムです。

ベタついてニオイのある汗が出る「アポクリン腺」

アポクリン腺は、毛穴のなかにある汗腺です。ほぼ全身に分布しているエクリン腺と違い、ワキの下、乳首の周辺、デリケートゾーンといった特定の部位に集中して存在します。
アポクリン腺は、フェロモンの役割を果たしているともいわれ、独特のニオイがあります。アポクリン腺から出る汗にはベタつきがあり、成分にはタンパク質や脂質を含んでいます。

アポクリン腺の数が多い、サイズが大きいがために、ニオイが強い場合は「腋臭症」となります。いわゆる「わきがのニオイ」の元となっているのが、アポクリン腺の汗なのです。

いますぐできる部位別の汗対策

エクリン腺とアポクリン腺。この2つの汗腺(汗の出口)のことを踏まえつつ、具体的な汗対策をからだの部位別にご紹介します。

ワキ

からだから出る汗のなかでも、ワキのニオイは独特と感じている方は多いと思います。
先ほど触れたとおり、ワキはアポクリン腺が多く分泌する部位であることが、その理由です。それゆえ、ワキ汗は悩みの種になりやすいものですが、ワキは面積が小さく、手指が十分に届く位置にあるため、全身のなかでも汗のケアがしやすい部位です。

ワキにはピンポイントで「制汗剤」を塗りましょう。そうすることで、大幅に汗を軽減できます。その際、肌に密着しやすいロール型やクリーム型の制汗剤がおすすめです。

制汗剤は、お風呂上がりの清潔な肌に塗ることを習慣にしましょう。そのうえで、衣類への汗ジミを防ぐ「ワキ用の汗パッド」も併用すると安心です。制汗剤で抑えきれない汗が出てしまった場合でも、汗パッドを利用することで、二重に抑えることができます。

顔の汗は、見た目に目立ってしまうと悩む方が多いようです。「制汗剤を顔に塗りたい」と相談を受けることもありますが、残念ながらそれはNG。市販の制汗剤は、顔の皮膚には刺激が強すぎるので、おすすめできません。顔の汗を出にくくするには、下記のように「顔に熱がこもるのを防ぐ工夫」を心がけてみてください。

顔に熱がこもるのを防ぐ工夫

  • 髪の毛が首に触れないように、短くカットする/アップのまとめ髪にする
  • トップス(上半身に着る衣類)は、風通しが良く肌に密着しないシルエットで、綿、麻など吸湿性に優れた天然素材のものを選ぶ
  • 帽子や日傘を使い、直射日光が顔に当たらないよう遮る
  • 首筋を冷やす(濡れハンカチ、ウェットシート、冷感シートなどを利用)

「首筋を冷やす」には、水で濡らしたハンカチをチャック付きの袋に入れて携帯すると便利です。なお、利用できるシーンは限られますが、保冷剤や解熱用の冷感シートを使うと、いっそうの冷感を得られます。

背中

背中は、汗対策が難しい部位です。広範囲にわたりますし、手が届きにくいためです。制汗剤などで汗を完全に抑えてしまうと、体温調整がうまくいかなくなる危険も。背中の汗は抑えるよりも、「汗をかいても目立たない工夫」に注力するのがおすすめです。

背中の汗が目立ちにくいトップスの色は、「黒」または「白」。逆に、その中間にあたる「グレー」は、ほんの少し汗をかいただけでも、汗ジミとなって目立ちます。

暑い日のトップスは、黒または白に近い色を選びましょう。さらに、チェック柄や花柄など柄入りなら、より汗が目立ちません。
背中の汗をどうしても抑える必要のある日は、スプレー型の制汗剤がおすすめです。スプレー型の制汗剤は、シューッとひと拭きで、広範囲に制汗成分を塗布できます。手の届かない背中に便利なアイテムです。

お尻

お尻の汗は、顔や背中の汗と比べれば、周囲にバレにくいもの。ですが、外出先でイスやソファに座るとなると困ったものです。布製のソファに汗が通過して汗ジミを作ってしまったり、プラスチック製の椅子から立ち上がったときに汗が水たまり状になってしまったり。そんな苦い体験のある方もいるかもしれません。

こういった不安を持つ人には、汗をしっかり吸収してくれる、汗取りインナー(下着、ショーツ)を履くことをおすすめします。汗取りインナーは、肌に触れる内側で汗を素早く吸収し、外側に汗がしみ出ない仕組みになっています。
さまざまなメーカーから発売されていますので、まずは、「汗取りインナー」「汗取りショーツ」などのキーワードでインターネット検索し、どういうものなのか眺めてみるとよいでしょう。

全身

最後に、全身共通の「汗のニオイ対策」のポイントをご紹介します。
エクリン腺から出る汗は、汗をかいた時点では無臭ですが、時間の経過とともに雑菌が繁殖して嫌なニオイを発します。もともと独特なニオイを持つアポクリン腺から出る汗も、徐々にニオイが強くなります。
ですから、汗をかいた場合は、こまめに着替えたりシャワーで流したりしましょう。汗を肌の上に放置しないことが大切です。

着替えやシャワーが難しい外出先では、「デオドラントシート」があると便利です。デオドラントシートは、体臭を抑える成分が配合されたウェットシートです。汗を拭き取って肌を清潔にすると同時にニオイを抑制できます。夏の日の外出では、ポーチに常備しておくと安心です。

夏の汗と上手にお付き合い

夏がくるたびに、暑さが更新されていく近年。夏の汗と上手に付き合う術を身に付けることは、現代人にとって必須といえるかもしれません。

夏の汗は、うまく対策できないと本当につらいものです。ただ、ちょっとの工夫で、グッと快適度が上がるケースも多いのです。

ご自分に合う対策法を見つけて、夏の憂うつを吹き飛ばしていきましょう。少しでも気持ち良く、夏を乗り越えられたらと思います。

監修

三島ミコ

美容ライター

化粧品会社で10年にわたり商品開発などに従事。美容を通じて自分と向き合い心豊かな暮らしを重ねるための内外美容を提案している。