30〜40代で気にしなければならない健康と予防対策

健康と美しさを手軽に手に入れよう いま注目の玄米食の魅力とは

身体のこれから

あまりおいしくなさそうなイメージが先行してしまう玄米ですが、よく噛んで食べてみると、いままで気づかなかった奥深いお米の甘みに気づかれることと思います。よく噛み、味わって食べる玄米は、家族に健康をもたらしてくれると同時に、ゆっくり味わって食べる時間のなかで、いつもの食卓を少し豊かにしてくれるかもしれません。

【ライタープロフィール】内田昌子(うちだまさこ)

毎日の仕事や育児に追われて、疲れが抜けにくいと感じることはありませんか?そのなかなか抜けない疲れの原因は、もしかしたら日々の栄養不足が原因かもしれません。

そんな子育て世代の家族に不足しがちな栄養を補ってくれる"健康のための救世主"とも呼べる食材が、今回紹介する「玄米」です。

いつもの主食を白米食から玄米食に代えてみるだけで、現代の日本人に不足しがちな栄養素を手軽に補給することができます。

今回は、玄米の魅力と、おいしい炊き方や選び方を紹介します。

不足しがちな栄養がたっぷり! 玄米食のメリットとは

健康食として、いまや日本でもすっかり定着した玄米。最近では、外食先でも白米か玄米かを選べるようになり、健康のための選択肢として主食を見直す人が増えています。
では、玄米食には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

白米にはない栄養が豊富な玄米

玄米とは一般的に精白されていない状態のお米のこと。白米にする際に落としてしまう糠(ぬか)や胚芽が付いている状態のお米です。そのため、白米に比べて少し黄色みがかった色をしていて、炊いたときの食感はやや歯ごたえのある硬さがあります。

お米は、見た目や食べやすさを重視して精白されるのですが、この落とされてしまう糠や胚芽にこそ、米が成長するための栄養素が豊富に含まれています。玄米食はこの取り去ってしまう部分まですべて食べることで、白米食に比べてたっぷりと栄養をとることができます。具体的には、以下の栄養素が豊富です。

疲れに効くビタミンB1や抗老化作用のビタミンE

以下は玄米と白米の栄養価を比較した表です。これを見ると、玄米には白米に比べてビタミンB1やビタミンE、食物繊維が豊富に含まれていることがわかります。

文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」を基に著者作成

脳や身体の疲労を回復するには、エネルギーを素早く作り出すことが大切です。その点、ビタミンB1には、エネルギー源となる炭水化物をエネルギーに変換する働きがあり、疲れを取りたいときに飲む栄養ドリンクなどにも配合されています。また、抗酸化作用も強く、シミを防いだりホルモンバランスを整えたりするため、アンチエイジングの効果があります。さらには、ストレス抑制作用もあり、何かと悩みごとの多くなる世代には積極的にとっていきたい栄養素でもあります。このビタミンB1は、エネルギー源としての炭水化物と一緒に摂取することで疲労回復の効率が良くなります。

また、ビタミンEは、糠の油分に溶けることで身体への吸収率が上がるので、玄米として食べることでからだのなかでの働きがさらに良くなります。

ビタミンの面だけで見ても、玄米は疲れが出やすい世代にとって嬉しい食べ物であるということが分かります。

食物繊維でダイエット! 便秘・生活習慣病も予防

食物繊維は、健康な身体をつくるうえで欠かせない栄養素です。しかし、近年、日本人の食生活は欧米化の傾向にあり、精製された小麦を使ったパンやパスタなどを多く食べるようになっていることから、不足しがちな栄養素であると言えます。

厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年度版) 炭水化物| p165.食物繊維の食事摂取基準(g/日)」、厚生労働省厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査結果の概要|表 11 栄養素等摂取量(1歳以上、男性・年齢階級別)、表 12 栄養素等摂取量(1歳以上、女性・年齢階級別)」の情報を基に作図

厚生労働省の資料(※)によると、食物繊維の目標量は、18〜49歳では1日あたり男性21g以上、女性18g以上とされています。しかし、上記グラフを見ると摂取量は全世代をとおし、大きく不足していることがわかります。

なお、食物繊維には、海藻などに代表される「水溶性食物繊維」と、それ以外の「不溶性食物繊維」とに大別されます。玄米に多く含まれるのは後者で、腸の働きや腹持ちを良くする効果が期待できます。そのため、便秘の解消に効果があり、お通じが整うことで腸がキレイになり、ビタミンやミネラルなどの栄養素が吸収されやすくなることで身体の調子も整いやすくなります。また、消化がゆっくりと進むため血糖値も上がりづらく、よく噛んで食べる必要があることから食べ過ぎを防ぐ役割もあるので、ダイエットや生活習慣病対策にも適しています。

「健康診断でひっかかってしまったけれど、何をしていいかわからない」という方は、手始めに玄米食から試してみるのも良いかもしれません。

よく噛むことがもたらす健康へのメリットとは

玄米食がもたらす健康効果は、優れた栄養補給だけではありません。白米に比べて歯ごたえのある食感が特徴の玄米ですが、そのプチプチと硬い食感こそがよく噛んで食べることにつながります。そして、この"噛む"という行為が、実はからだや脳の発達に、とても大きな役割を果たしているのです。

噛むことの効果「ヒミコノハガイーゼ」

よく噛むことの効果を表した言葉に「ヒミコノハガイーゼ」というものがあります。
太古の卑弥呼の時代には硬いものを良く噛んで食べていたので、この時代のような歯が理想という意味があります。また、その頭文字を取って、よく噛むことがもたらす効果を分かりやすくまとめた標語でもあります。

肥満の防止

よく噛むことで満腹中枢に働きかけ食べ過ぎを防ぐ

味覚の発達

口の中に食べ物を長く留めることで繊細な味を理解できるようになる

言葉の発達

あごや口内外の筋肉をよく動かすことで発音がキレイになる

脳の発達

あごを使うことで脳への血流が良くなり、脳がよく発達する

歯の健康を守る

唾液の分泌が増え口内が清潔になり虫歯や歯周病予防になる

ガン予防

唾液の成分が食品に含まれる発ガン成分を抑える働きをもつ

胃腸の働き改善

よく噛むことで消化が良くなり胃腸に負担をかけずに済む

全力を注げる

身体の調子よくなることでやりたいことを全力でできる

よく噛むことは、大人はもとより、子どもに対してのメリットが大きいことがわかります。幼い頃からよく噛んで食べる習慣をつけることで、食事面から子どもの健康を守り、発達を促す効果を見込めるのです。栄養面だけでなく噛むという健康の面からも、玄米食は子育て世代に取ってオススメの健康法と言えます。

毎日手軽に食べたい! おいしい玄米の炊き方

"玄米食=健康に良い"というのはなんとなく知っていても、実際に食卓に出して子どもから「おいしくない」と言われてしまっては、やはりガッカリしてしまいます。また、炊き方が分からないなどの理由から、ハードルが高いと感じる人もいるのではないでしょうか。
ここでは、そんな皆さんにおいしく召し上がっていただける玄米の炊き方と、おいしく安全な玄米の選び方を紹介します。

おいしい玄米の炊き方

引用)pixabay https://pixabay.com/ja/photos/3622461/

身体に嬉しい栄養たっぷりの玄米をおいしく食べましょう。実は玄米といえども、いつもの炊飯と大きく変わるわけではありません。ポイントを押さえれば、誰でもおいしく炊くことができます。

1.正しく量る

白米と同じように正しく、180ccの計量カップにすりきりで量りましょう。

2.軽くすすぐ

玄米の豊富な栄養源である糠を落とさないように、汚れだけをさっと軽くすすぎましょう。

3.やや多めの水を入れる

目安として1合に対し、30~40ml程度の水をプラスしましょう。1度炊いてみると好みの硬さが分かるので、お好みで調整してください。玄米モードがある炊飯器の場合は、その分量にしたがいましょう。

4.時間を置いて浸水させる

そのまま30〜45分ほど置いて、玄米に水を含ませましょう。炊き上がりがふっくらやわらかな玄米ご飯になります。

5.いつも通り炊飯する

浸水させたら、いつも通りの炊飯モードで炊きましょう。玄米モードがある場合は、その表示にしたがいましょう。

6.少し蒸らして炊き上がり

炊き上がったら、フタを開けずに15分ほど蒸らしましょう。蒸らし終わったらフタを開け、切るように混ぜることで余分な水分を飛ばせます。

こうして炊き上がった玄米は、炊きたてを食べるのが1番です。
すぐに食べないときは、炊きたての玄米をラップに包んでからフリーザーバックに入れ、冷凍庫で保存する方法がオススメです。まとめて炊いて冷凍保存しておけば、野菜が多くとれない日などに電子レンジで温めてサッと出せば、不足しがちな栄養の補給に効果的です。

玄米選びは、おいしさや安全性に注意

おいしい炊き方が分かったところで、最後に玄米を選ぶときの注意点についても少しお話ししたいと思います。

玄米はさまざまな種類が出回っているので、どれを買えばいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

まず、食べやすさを考慮するなら「発芽玄米」がオススメです。玄米を発芽させることで外側の皮が柔らかくなり甘味が増しているので、小さなお子さんでも食べやすくなっています。

安全性を気にされる方は、「無農薬の玄米」を選ぶようにしましょう。玄米は白米に比べて、製造の工程で農薬を取り除いている部分が少ないため、残留農薬の濃度が高い傾向にあります。その点、無農薬で生産されたお米であれば、玄米として食べても安心です。

ぜひいろいろな玄米を試して、ご家庭にあった好みの玄米を見つけてみてください。

手軽に玄米食を取り入れてみましょう

今回は、子育て世代にオススメの健康法である玄米食について紹介しました。

あまりおいしくなさそうなイメージが先行してしまう玄米ですが、よく噛んで食べてみると、いままで気づかなかった奥深いお米の甘みに気づかれることと思います。

毎日毎食食べなければいけない、などとあまり考えすぎずに、1日3食のうち1食を玄米食にしてみる、白米に玄米を少し混ぜて炊いてみるなど、ご家族で無理なく取り入れやすい工夫をしてみてください。

よく噛み、味わって食べる玄米は、家族に健康をもたらしてくれると同時に、ゆっくり味わって食べる時間のなかで、いつもの食卓を少し豊かにしてくれるかもしれません。

ご家庭の健康を考える、ひとつのヒントとして、ぜひ取り入れてみてくださいね。

※厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年度版) 炭水化物| p165.食物繊維の食事摂取基準(g/日)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586559.pdf

ライタープロフィール

内田昌子(うちだまさこ)

管理栄養士・フードスペシャリスト

企業在籍時に行ったダイエットの栄養指導、親子料理教室の開催、レシピブック作成などの経験をもとに、現在は「食」の魅力を伝えるwebライターとして活動中。2児の母として、美味しくて手軽にできる栄養満点ご飯を作るのに毎日奮闘しています。